靴と映像
お邪魔していた友だちの家から帰ろうと思ったんだけど、靴がない。ぼくのAir Force Oneがない。一緒に来ていたAと共に探すんだけど、見つからない。ぼくの靴だけじゃなく、あるであろう靴が一足もなかった。そこで気付いたんだけど、友だちの家なんだけど、その友だちもいなかった。靴も友だちも消えてしまった。Aは何も言わないし、表情も変えない。Aの靴も多分無くなってるんだけど。友だちはいつの間に消えてしまったんだろう。
程なくして友だちの弟と名乗る人が家の奥から出てきた。
「すみません、あなたの靴はオレの友だちが履いて帰ってしまいました」
「え」
「こちらに戻ってくるように、連絡してみます」
友だちの弟はその友だちに電話をかけた。
「よかったです。一時間ほどで戻ってくるようです」
なぜ、その友だちはぼくの靴を履いて帰ったんだろう。その友だちが履いていたであろう靴は見つからない。靴が一足も見つからないのだから。その友だちは裸足でやってきたのか。その友だちが全ての靴を盗んだのか。
とにかく一時間ほど待たないと帰れないので、ぼくとAは友だちの部屋に戻った。
部屋に入るとAは何も言わず無表情のまま、携帯電話とテレビをコードで繋いだ。テレビの電源を入れ、映像が流れた。
どこかの街の映像だ。恐らくバスの中からAが携帯電話で街を撮った映像だろう。視点が高く、映像は車道を走っている。
そのバスがロータリーに入り、映像もゆっくりになる。バス停に止まるが、Aはバスを降りずにそのまま撮り続けているようだ。ただ一点を撮り続けている。バス停に並ぶ人たちを撮っている。
並ぶ人たちのなかにちらっと、ぼくの知っている面影があった。そして驚くことに、ぼくと映像がシンクロするように、映像がその人にズームしていく。Aとその人は面識がないはずなのにどうして?
ぼくはそのことを聞こうと思い、Aの方に振り向いた。AはAphex Twin – Richard D. James Albumのジャケットのような表情をしていた。恐すぎる。
Aは全部知っているんだろう。でももう遅い。ぼくの靴も友だちも何もかも戻ってはこないのだろうと悟った。
というような夢をみました。