仕事
仕事のことを書く。
ぼくは仕事が怖い。ひとに「なんで仕事しないの?」とか訊かれるけど、いつも面倒臭くて、「嫌いだから」とか「めんどくさいから」とか「雇ってもらえないもん」とか応えるけど。実は怖いってことだけで、仕事から逃げてる。逃げ足だけは凄いんだ、ぼくは。
仕事自体というかなんだろ?作業?というか、例えば「椅子作る」って仕事だったら「椅子作る」ってことはできるのよ。全然。怖くない。でも、それ以外の社会人として当たり前であろうことがほぼ全て怖い。電話とかなんかコミュニケーション新規開拓みたいなのとかね。あと、「できるかどうかわからないことをしなければならなくなるかもしれない恐怖」。これもかなり大きい。もちろん失敗や怒られることも怖い。まぁそんなこんないろいろ。お化け怖いって感じよ。
前の仕事やそのもう一つ前の仕事はものを作る仕事だったから、結構楽しいと思えた(入り込んでるようなときはよかった)。もちろん上記の恐怖はあったけど、なんとか折り合い付けて、1年くらいは継続することができた。恐怖と楽しみが天秤にかけられて、ずっとゆらゆら揺れてた感じ。でもどうしても1年くらい経つとダメになってしまう。恐怖大勝利。逃げる。続かない。
仕事を辞めて恐怖から解放されたぼくは、すごく安心できた。仕事を辞めると、心は落ち着いた。怯えることも、怒られることも、失敗することもない。毎日腹がビクビク痙攣するようなこともない。ちょう安堵。
仕事を辞めると、いつも「戻った」というような感じがする。ぼくにとっては無職であることが正常で、働いている状態は異常なんだと、心はそう反応しているような気がする。肩の荷を降ろすような、そんな感じ。
逃げ癖のせいもある。ぼくは常に逃げるという選択肢を選ぶ。バカみたいに。それしかないみたいに。正しいかそうでないかは重要じゃなくて、危険に対しての回避行動のような感じなのかな。例えば、ぼくの愛する人が襲われていたとしても、ぼくは靴底が溶けるほどの俊足で逃げると思う。そして後日言うんだ「怖かったんだ」って、今みたいな調子で。仕方ないだろ?とでも言いたげに。
自分に対して、刹那的というか厭世的なとこもあるし、子どもの頃から死に近付きたいような思いもあるし。結構いろいろ揃ってる。ほんと跳萬くらいは軽くいってるよね、ぼくのこれまでって。前科が付いてないくらいかな。
なんかまぁこういういろいろなこと(ぼくにとってはね)で結構ナーバスな部分おっきくて、やっぱ結構生きんのしんどいなーって感じだった。ずっと。自分なりに立ち向かった部分も少しはあったんだけど、何も変わんなかった。余計傷を深めた面もある。思い通りにならない自分がどんどん嫌になっていった。なんでこんなこともできないんだろうって。
でもどっかで、怖いまんまでいいやーってなって少し楽になった。別に現実は何にも変わんないけどね。平然と逃げるようになっただけ。
だから、ほんと毎日ちゃんと仕事行ってる人とかすげえなって思う。なんか勝ちとか負けとかじゃなく、すげえなって。オレできんもん。たまに友だちと遊んだりした時とか、「あ、みんな明日仕事なんや…!」とか思って、すごく不思議な気持ちになる。
あとまぁ、仕事が嫌いなわけじゃないから、残業/休日出勤もそれほど嫌いではなかった。確かに疲れ/ストレスとかあったけど、それほど大きな問題じゃなかった。あーでもなんか溜まると眠りが深くなって、20時間以上眠ってしまったりするからアレだったけど(ナルコレプシーではない)。
給料にもあまり拘りがなかった。そもそも交渉は怖いからできないし、いろいろとできないことを自認してるし。むしろ多くもらってるなという感じがあったから、それが少しプレッシャーになった。たくさんもらえたのはうれしかったけれど。
なんかね、このこと、ずっと書きたいなーって思ってたんだけど、うまく書けるような気が全くしなくて避けてた。自分自身でもちゃんと理解できてるか自信がないから。でもね、まぁ別にうまく書けたところで誰かにきっちりばっちり伝わるわけでもないし、誤解されたところで何も問題ないしなーということでね。嗤われたってバカにされたって何言われたって(「甘えんな!」とか「死ねばいいのに」とかさ)、まぁしょうがないよね、こういうひとなんだもん。怖い怖いと泣き叫んでるだけの子供のまま、無駄に老化してしまった。
子どもの頃から、こうだったんだ。いっぱいいっぱい怖かった。その頃の恐怖の感情の記憶が今も残ってる。スイミングスクールに行くのが怖かった。お母さんに怒られるのが怖かった。幼稚園の教室の端の方が怖かった。とかね。その頃から何も変わってないんだなって思う。多分、どっかで変わっていかなきゃいけなかったんだけど、ぼくは全くそういうことをしなかったんだろうな。「遅くない、今なら間に合う」なんて一度も思ったことはないんだろうな。
仕事をしなくなって、1年半以上経つ。今まで貯金を切り崩してやってきたけど、それももうなくなっちゃった(手元にはね)。だから働かなきゃいけない(だからってわけでもないけど)。もう、あとがない。ないんだよ、ぼく。