ぼくは高校を、二年の最後に中退している。一年の時はすげえ真面目に勉学に励んでたんだけど、二年になった頃から不登校になって、それで単位足りなくなって中退したって流れ。中学時代素行不良丸出しだったぼくが、高校に入って改心したかのように真面目になった一年があって(ゼロ時限目とか必死こいて出席してたwww)、そのあとどっと反動が来たような感じだなぁ。
不登校になった理由や留年せずに辞めてしまった理由はまぁ、若気の至りみたいなもんだと思う。いろいろいろんな違和感に嫌気がさしたって感じのようなそんな感じ。パンクした。今だに引き摺ってる部分もあるね。
ぼくは今も昔も「にげる」ばかりを使う。それ以外知らないのかよって思うんだけど、選べないんだよなぁ。
あ、んでまぁ、何年か前に高等学校卒業程度認定試験の第一回の試験を受けて合格したんだ。
高等学校卒業程度認定試験
えー何書こうか…。数年前の記憶を手繰り寄せて…。
そうねー、はじまりはー、友だちに気紛れに言った「オレが大検とって大学入ったりしたらおもろい?ねえ、おもろいwww?」。その言葉に友だちは、「そりゃおもろい。やれ」と言った。だから、それをやることにした。おもしろいと言われたら、仕方ないよね。
まず、ネットで調べて、過去問題を解いた。全教科合格ラインを超えた。「なにこれ簡単www」となって、やる気が出てきた。これは全教科100点を取るゲームだと思い始めた。マークシートだし。
次に、免除教科があるかもしれない(一応高校二年行ったからね)ので、通っていた高校に電話で問い合わせて、単位取得証明書(だったかな?)を発行してもらった。なんかね、ぼく電話苦手な上、辞めたガッコに問い合わせってことで、二重にしんどかった覚えがある。高校にその証明書を貰いにいった時も、吐き気を催すくらいだった。「あのー、あー先日えー、そのー、単位取得証明書のー、えーはいー、えー」「あ、これですね。はい、どうぞ」「あー、ど、どうもー」だけだったんだけどね。
何教科か免除されて、ぼくに必要な教科は六教科だけだった。あ、確か二通貰って、一通は提出用(開封しちゃダメ)、もう一通は自分で確認用(出願する教科わからんからね)って感じだったと思う。
そして、試験の2か月くらい前から試験勉強を始めた。過去問題集を買って、それをひたすら解いて、間違ってたら答えをガン見するってだけの勉強。4、5年分の過去問題しか載ってなかったので、一日一教科しかやんなかった。一気にやったらすぐなくなっちゃうからね。ほんと気楽だった。当時ももちろん無職で、なんかすべきことを与えられたような気になって、気持ちが安らいだ。フラフラしてんじゃないんです!ぼく受験生ーーーー!!!という感じ。
あ、んでね、受験教科に国語があったんだけど、それがすっごく簡単に解けてなんか面白かった。ぼく、高校辞めたあたりから積極的に読書し始めたんけど、たぶんそのおかげ。笑いながら解いてた。
ちなみに問題集は試験後にヤフオクに流すことを想定して、書き込みは一切しなかったし、きれいに使った。高く落札された。
試験。神戸のなんたらほんたら大学が試験会場だったので、前日から仲良しのいとこの家に泊まって、そこから向かった。暑かったなぁ。元町から汗ダラダラかきながら歩いたのを覚えてる。
恐らく、卒業しても大学に入学する資格を得られない学校に通っているフレッシュな若者で溢れていて、酷くアウェイな感じだった。ぼく以外には三十歳前後であろう人を数人見たくらい(見逃してたんだろうけど)。
あと、最初の試験でぼくの隣で受験していた子は平成生まれだった(試験開始前にちらりと見たのよ)。ほんとにこういう子いるんだぁ…と衝撃を受けた。
まぁ二日目(ぼくは二日に跨いでいたの)も似たような感じだった。アウェイ感。
まぁこんな感じ。で、合格通知と証明書が届いて「やったあ!」と小さく叫んでおしまい。
大学へは行かなかったというか、大学受験するからには行きたい大学が必要でしょ、でもそれがよくわかんなかった。見つけられなかった。みんなどうやって見つけるんだろう。好きな子いないんだから恋なんて出来ないよ。
友だちは不満だったかもしれない。半分しか達成できてないわけだから。
まぁね、気紛れで飽きっぽくて諦めやすいぼくには、この試験は取っておいて損はなかったものだと思ってる。大学行きたくなっても障壁ないからね。それまでとは違って、みんなといっしょ。
あ、その後ぼくは働き始めるわけなんだけど、履歴書に高等学校卒業程度認定試験合格と書いても、面接時そこに触れられることは一度もなかった。まぁそんなもんです。
ぼくは別に何も変わってない。未来が開けるわけでもないし、光無く充満した暗雲は早々簡単には晴れない。ぼくは変わってない。
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随分前に友人に、ぼくの悩みのような話をしたことがあった。んー悩みってのはちょっと違うか。「ぼくに訪れている面倒なこと」はこんな感じだよと言った。まぁ大したことはない話だったと思う。あまり口に出したりはしなかった話ではあったと思うけどね。そして、それを聞き終えた友人はこう言った。「アツいな!」って。笑顔でね。こうなんというか、ぼくが不幸であることを喜んでいるような、優越感を持った笑みに見えた。ぼくには。ショックだった。信頼していたから。
ぼくはそのことを未だに根に持っていて、時にその痼りが疼き出すような感覚がある。
ぼくが見た笑みは、ぼくが見たくなかった笑みだった。ぼくがあのとき、目を伏せて喋っていれば良かったのに、と思う。そうすれば、今でも友人のことをもっと信頼できていたように思うから。全てはぼくが思っているだけのことだから。
だからなんだって話なんだけど、疼き出したからね。
ぼくは仲間と共にいた。もう正午からこちら四時間ほどだろうか、ぼくの意識は前後に揺れ続けている。
途切れ途切れの音の中に仲間の声を見つけ、ただその音だけを便りに仲間の背中を探す。仲間の黒い背中が見えている間に追いつかないといけない。仲間の声はどんどん小さくなる。
灰色の空が白く開けてきた。ぼくの瞬きの回数はどんどん増えていく。耳にはもう仲間の声は聞こえない。暴力的な風の音とぼく自身のはぁはぁという声しか聞こえない。ぼくの意識はもう後ろへ折れ曲がったままだ。眩しくてもう眼を開けていられない。
真っすぐ進んでいたぼくの視界が突然真っ白になった。ざあざざとラジオのノイズのような音が聞こえる。仲間の声は聞こえない。ぼくの身体はどこかへぬるぬると勝手に進んでいく。身体から力が抜けていく。
音がふっと途切れ、視界が元に戻った。ぼくは山の中で倒れていた。全身がずぶ濡れになっていたが、起き上がることができないくらい脱力していた。頭上で鳥の鳴く声が聞こえた。仲間の声は聞こえない。
君がコーヒーの入ったカップを倒してしまったときの顔なんて、ぼくはもう忘れたよ。ぼくのスニーカーのソールがコーヒーに濡れて、歩くたびに粘り着くような感覚があったことなんて、ぼくはもう忘れたよ。
ぼくは君の美しい顔なんて見ていなかったし、君がぼくに話しかける優しい言葉なんて聞いていなかった。
「ついていけない」って終っちゃうの知ってた。君がそれを言ったのかは知らないけど、ぼくは涙を流したよ。
高校生だった頃、眠っていたぼくに突如腹痛が襲った。呼吸が出来なくなるくらいの途轍もない痛みだった。なんとかベッドから這い出て、母親に病院に連れて行ってもらった。眉間にしわを強く寄せ、滝のように汗を流し、胎児のように丸まるぼく。
痛みは何故か病院に着くと消えたが、一応看てもらった。原因がわからないと言われ、もしかすると痛みがまたやってくるかもしれませんので注意してくださいね、との脅しを受けた。ぶら下がる蛍光灯と緑色の床とたくさんの医療機器のなかで。さっきの痛みから解放されたぼくには、ほとんどどうでもいいものだった。
痛みは「左脇腹の中をもの凄い力で握り潰されている」ような感じだった。ぼくが力を抜けばぺしゃんこになってしまいそうな、そんな感じ。お腹を下す時の痛みとは全くの別物だった。
そして一昨日、11年振りにその痛みがやってきた。「もしかすると痛みがまたやってくるかもしれませんので注意してくださいね」
同じような痛み。呼吸が出来ないくらい。立っていられない。ベッドに横になった。力を抜くとぺしゃんこになってしまいそう。
11年前とは違って痛みはどんどん酷くなっていって、意識がゆっくりと薄くなっていくのがわかった。薄れ行く意識のなかで「あぁこれは死ぬのか」「死にたくないなぁ」と思った。その内に思いもなくなった。ぼくはひとりで丸くなっていた。
そのまま数十分ぼわんぼわんしているといつの間にか痛みは去っていた。ぼくは死ななかった。また気紛れな痛みに遊ばれてしまった。
「もしかすると痛みがまたやってくるかもしれませんので注意してくださいね」
次はいつだ?
幼い頃ぼくは小さくなりたかった。低身長低体重じゃなくて、小人のように。
小さく丸まって眠る癖のあったぼくは、毎日少しずつ小さくなっていると思い込んでいた。ぼくはがちゃがちゃ(カプセルトイ)の透明の丸いケースに収まる小さなぼくになるはずだった。狭いところが好きだった。
今のぼくは恐らく骨壷程度の大きさになるのが限界だ。残念だけど、幼き夢は果たせそうにない。
ある人が好きだった曲だから、ぼくは何度も聴いた。ぼくもその曲が好きになった。聴く度に、その人のことを思い出した。
先日その人に会って、ぼくは言った。「…って曲、好きだったよね?」って。その人は「え、何それ?」って。「別に好きじゃないよ」って。
ぼくは勘違いをしていた。勘違いをしたまま、ずっとその曲を聴き続けていた。
でもきっと、これから先もその曲を聴くと、その人のことを思い出すんだろうなぁと思う。
最近、昼夜逆転気味の生活を送っている。日付の感覚が狂ってくるし、ごはんもあんまり食べなくなる。またちょっと痩せちゃったなぁ。それに、この逆転生活は心にもよくないなぁって感じてる。なんだろう、ぽつーん、ぽかーんって感じがする。
前はこうじゃなかったよな。前はっつっても結構もう何年も前だけど。こういうデタラメな生活を、時間がずっと繋がり続けててステキだ、なんて思ってたとこもあったくらい。今はもう、そう思えないんだよな…。
若かったのかな。もう若くないのかな。今、頑張りどころなのかな。
とにかく、ひっくり返ったものを元に戻そう。
突然聴きたくなって、iTunes Storeで買った。
CDを探すのが面倒なので買った。
ぼくはこれくらいの大人だと思う。
10年前の曲もあっという間に昨日のことのよう。
胸のその奥の 何かが揺れる 言葉以上の 愛が溢れる