お邪魔していた友だちの家から帰ろうと思ったんだけど、靴がない。ぼくのAir Force Oneがない。一緒に来ていたAと共に探すんだけど、見つからない。ぼくの靴だけじゃなく、あるであろう靴が一足もなかった。そこで気付いたんだけど、友だちの家なんだけど、その友だちもいなかった。靴も友だちも消えてしまった。Aは何も言わないし、表情も変えない。Aの靴も多分無くなってるんだけど。友だちはいつの間に消えてしまったんだろう。
程なくして友だちの弟と名乗る人が家の奥から出てきた。
「すみません、あなたの靴はオレの友だちが履いて帰ってしまいました」
「え」
「こちらに戻ってくるように、連絡してみます」
友だちの弟はその友だちに電話をかけた。
「よかったです。一時間ほどで戻ってくるようです」
なぜ、その友だちはぼくの靴を履いて帰ったんだろう。その友だちが履いていたであろう靴は見つからない。靴が一足も見つからないのだから。その友だちは裸足でやってきたのか。その友だちが全ての靴を盗んだのか。
とにかく一時間ほど待たないと帰れないので、ぼくとAは友だちの部屋に戻った。
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過去のオレは嘘を吐いていた。見栄も張っていた、格好良く見せようとしていた。欺瞞に満ちた人間だった。
そのくせ、今よりももっと臆病だった。それも隠した。少なくとも隠そうとはしていた。
そういう自分に気付いていなかった。うまくフィルタリングしていた。
気のある振りをして、思わせぶりなことを言って、嘘の好意を見せて。そうやって、誰かに承認してもらえた気がしていた。人と繋がっている感覚に心地良くしていた。少しでも面倒くさくなれば、また誰かがいる。執着するのはバカらしいことだ。バカらしい。バカらしい。ドライな感覚も作り出したものだった。
ずっとそうやってたら、オレはそこそこ気分よく生きていけたのか。わからない。だけど、現実はずっとは続かなかった。オレは自分が自分をうまく騙していたことに気がついた。それでも、その嘘を続けようとした自分が恐ろしかった。誰にも言わなかった。言ったら自分が自分でなくなるような気がした。実際、自分はなかったはずだから。
気持ちの中がひとりぼっちになった。誰のことも信じていなかった。もちろん嘘吐きの自分のことも。最悪だった。
とにかく、嘘からは遠ざかろうと思った。それからよく歩くようになった。たくさん考えるようになった。なぜ自分が自分を偽ろうとしたのかも、ぼんやりとわかるようにはなった。
長いことそうやって悶々とした日々を過ごしていて、ひとりの人に出会った。その人の前では少なくとも嘘はつかなかったし、見栄も張らなかったし、格好つけようともしなかった。たぶん。素直になった。ひょっとすると、面倒くさいことができるようになって、はじめて素直になれた人だったかもしれない。
ぼくはその人にたくさんのことを教えてもらった。というか与えてもらった。自分がもう一度産まれたような気さえした。ぼくも何かを与えたいと思った。
でも、ずっと言えなかったことがあった。嘘で隠すようなことはしなかったけど、自分の中にある言葉をそのまま口にすることはできなかった。その人とずっと一緒にいたかった。だから言えなかった。結局ぼくは信じられなかったんだ。ぼくは何も与えられなかった。そして、その人と会うことはなくなった。
どんどん泣きそうな気持ちになっていたぼくは、少し解放され、勝手に絶望を背負い込んだ。
でも、ぼくは運が良かった。絶対にぼくを引き上げてくれる人たちがいた。何度も何度も引き上げてくれた。ぼくはバカになった。ぼくはバカみたいに素直な人間になった。ぼくは泣いたり笑ったりした。与えてもらったすべてがなくなってしまうんじゃないかと、すごく不安に思っていたけど大丈夫だった。心から笑うこともできた。
それから、そして、だけど、そして、ぼくはまた、自分を騙そうとしているのかもしれない。消えたいと思っている自分を騙そうとしているのかもしれないし、もう一方の自分を騙しているのかもしれない。
エンドレスリピート
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明日くらいから、音楽、また再開しようと思ってる。
最後まで出来上がれば2年ぶりの完成になる。
2年間、作りたいネタは山ほどあった。多分、頭の中にストックされているんだと思う。今も作りたいものがある。
オレはビビってたんだと思う。失敗するのが怖かったんだと思う。誰にも迷惑掛からないのに。出来上がったときの喜びを知っているのに。
ちょっとずつ、ビビってんのやめていこうと思う。克服は難しいけど、変に怖がるのはやめたいなって。
だって、おかしくない?不幸を見た気になってる。